WORDS BY TOMOKO NISHITA
少し前になりますが、とあるワークショップに参加した時のお話を。 参加したのは、このブログでも度々登場するkinfolk magazine などで活躍する 写真家のParker Fitzgeraldとフラワーデザイ ナーのRiley Messinaによるコラボレーションプロジ ェクト「Overgrowth」のフラワーデザインワークショップ。 「Overgrowth」の作品展示に合わせて開催されたこのワークショップ、会場は家具ショップ「TRUCK」。私が到着するとすでにParker さんが会場風景を撮影 されていたり(コンニチワと日本語でにこやかに挨拶)、Rileyさん(無造作に まとめた髪と黒縁メガネ、シンプルなファッションがキュート!)がふらりと やってきて準備を始めたりなど、リラックスした雰囲気でゆるやかにスタートしました。
会場には私を含めて6人の女性が参加。ちょっとした自己紹介を最初にしたの ですが、やはりお花関係のお仕事をされている方が多かったです。 ワークショップのテーマはTRUCK にちなんで、家具に合うフラワーアレンジ メント。まずはベーシックなブーケづくりから。最初にRileyさんが一人一人に花を選んでくれるのですが、その花やカラーリングのチョイスから彼女独自のセンスが伝わってきて、もうこれだけで素敵なものが出来上がりそうでワクワク。
花がそろったら種類ごとに分けて整理し、下の部分の余分な葉っぱを取り除いて準備完了。今回私たちが習ったのは“ダッチスパイラル”というブーケの作り方で、色んな方向から花を指すように手の中へ収めていきます。長い枝、小さい花、大きな花、アクセントになる花など、それぞれの使う花のキャラクターを活かしながら次々とかたちづくっていくのですが、これがなかなか難しい。花を加えるたびにバランスが崩れそうになったり、手を固く握りすぎて指がツリそうになったり。自分でもこれって正解or 失敗?の判断がつかないまま先生の助けを借りつつ、なんとか作り終わりました。
これが出来上がりです。ちなみにRileyさんのはこちら(右)
自分のブーケを必死に作り終えた直後はほどほどに満足していたのですが、先生の素晴らしい作品を見てその差に愕然…。とはいえ、学生の時以来のお花をつかった創作に夢中になれて楽しかったです。ブーケを作った後は細長いベー ス2本に花を生けて、レッスンは終了しました。 そうそう、私のブログのテーマである食べ物についても触れておかなければな りません。レッスン後にはうれしいスナックタイムがついていたんです。 みんなが作ったお花がテーブルにディスプレイされ(テーブルセッティングのお花は人と人との視線や会話の妨げにならないよう、高くなり過ぎないようにするのがポイントだそう)、木のプレートの上には、クレソンなどのグリーン、 生ハムやベーコン、パン、チーズ、卵料理、ドライフルーツなどの、飾り気のない素朴な品々が並びます。それらをみんなでシェアしながら、ゆっくりとおしゃべりを楽しんでいる様子は、まさにkinfolk のギャザリングそのもの!なんだか感動しました。
最後に会場に展示されていた「Overgrowth」の作品について。花を用いたポートレイトや大自然をバックにした作品は、観るものの想像をかき立てる物語を感じるものばかり。特にポートレイトは花で表情が隠れているのに、その人の本来の姿、知ってはいけない秘密を見てしまったようなゾクゾクとした魅力で溢れていて、見れば見るほどその世界に引き込まれていきます。自然と聞くと“癒し”などをイメージしがちですが、彼らの作品は花や植物など自然が持つ荒々しさや強さ、人間の脆さや危うさが表現されていて、その2つが融合することで生まれる、切実なほどの美しさを感じることができるのです。
作品はHPでも観ることができます。ちなみに新作シリーズの制作がそろそろ始まるようで、モデル募集の告知が出ていました。新作も楽しみですね。また、それぞれの活動もすごくステキなのでぜひ彼らのHPもチェックしてください。
お茶目なParker さんと笑顔が素敵なRiley さんのツーショット(おまけ写真)
Riley Messina
Parker Fitzgerald